今回は、助動詞「shall」の3つの使い方について解説します。
みなさんは「shall」についてどのようなイメージを持っていますか?
同じ助動詞でも「can」や「will」などにくらべて、それほど目立ってなくて、なんとな~く脇役的なイメージはないでしょうか?
実をいうと、「shall」はどこか古めかしくて堅い感じがあり、ネイティブでも人によっては、
「shall」なんて今どき使わないよ~
っていう人もいるのが現状のようです。
ただ実際は、時と場合によっては普通に使われる単語なので、本記事ではそんな「shall」の3つの用法について説明していきます!
助動詞「shall」
まずはじめに、「shall」の大まかな3つの用法は以下の通りになります。
- 未来( I / we )
- 申し出・提案( I / we )
- フォーマルな義務
それではひとつずつ解説していきます。
未来( I / we )
「shall」で未来を表す場合の主語は「I」または「we」となります。
未来を表す「shall」はよく「will」と比較されます。
正直なところ、今日(こんにち)では「shall」よりも「will」を使うのが一般的ですが、「shall」を使っても間違いということはありません。
ただ「shall」の場合だと、かしこまって聞こえます。
それでは例文です。
I shall give you a call.
私はあなたに電話をします。
We shall miss her.
私たちは彼女がいなくて寂しくなります。
ちなみに、主語と「shall」をつなげて短縮した形は「will」の場合といっしょで、
I shall → I’ll
We shall → We’ll
のようになります!
そのため、短縮形だと相手が「shall」を使ってるのか「will」を使ってるのか分からないってことにもなりますが、同じように未来を表しているんだと思えば気にすることはないでしょう♪
申し出・提案( I / we )
「shall」を申し出や提案に使う場合も、主語は「I」または「we」となります。
申し出や提案とはつまり
「~しましょうか?」
と言いたいときに使われることになります。
また、「what/when/who」などを使った場合は提案を求めることができます。
実際に例を見てみましょう。
Shall I open the window?
窓を開けましょうか?
What shall I get my brother for his birthday?
私は私の弟の誕生日に何を買いましょうか?(=買えばいいでしょうか?)
Shall we go for a walk?
散歩に行きましょうか?
*「go for a walk」 散歩に行く
Where shall we go?
どこに行きましょうか?
フォーマルな義務
「shall」の3つ目の使われ方はフォーマルな義務です。
つまり、ルールなどに従って「~しなければならない」というようなことを表すときに使われます。
具体的な場面としては、公共にある義務を命じた看板や法的文書などの、フォーマルな場面となります。
それでは例文です。
The door shall be closed at any time.
その扉はいかなるときでも閉めておくこと。(=閉めておかなければならない)
*「at any time」 常にいつでも
The tenant shall return the keys to the landlord.
借用者は大家に鍵を返すこと。(=返さなくてはならない)
*「tenant(テナント)」 借用者
*「landlord(ランドロード)」大家
「shall」にまつわる補足知識
ここでは「shall」についての補足知識を2つに分けて紹介します。
「shall」の現状
「shall」という単語は冒頭でもふれたとおり、比較的ふるくてフォーマルな響きを持っています。
また「shall」は、基本的にアメリカ英語よりもイギリス英語で使われることが多いです。
「will」のかわりとしての使われ方は、実際のところほとんどアメリカ英語では見かけることはありません。(申し出や提案を表す場合にはアメリカ英語でも使われます♪)
ただ、もし仮に会話で「shall」を使ったとしても、決して間違いではありませんので心配しないでくださいね!
どちらかというと教養があるように聞こえます♪
また、他の助動詞にくらべて「shall」は使用頻度は少ないかもしれませんが、どんなときに使われるのかを覚えておくと、見かけたときにきちんと文の意味が理解できることにつながるので覚えておくことに越したことはないでしょう^^
「shall」と「ロード・オブ・ザ・リング」
みなさんは映画「ロード・オブ・ザ・リング(The Lord of the Rings)」を見たことがありますか?
実は、それに出てくる魔法使い「ガンダルフ」の有名な「shall」を使ったセリフがあります。
そのセリフというのが
You shall not pass!
というものです。
ここで、「あれ?」と思われた方もいるかもしれません。
そうです!
先ほどまで説明した用法では基本的に「 I 」や「we」が使われていましたね。
でもここでは「you」が使われています。
実はこの「You shall~」の形は、それこそ際立って古く堅いひびきがあり、現代英語ではほぼ使われません。
この言い方は命令や義務のようなことを表し、
You shall not pass!
*「pass」 通過する
とはつまり
「お前はここを通過するな」=「汝(なんじ)を絶対に通さん!」
といった「ガンダルフ」の何が何でも敵の侵攻を許さないという決意を表しています。
「ロード・オブ・ザ・リング」という独特の古風な雰囲気の舞台とキャラクターがあっての、生きてくるセリフと言えますね!
こちらがそのシーンの動画となります。
だいたい0:35秒あたりから「You shall not pass!」というセリフが聞けますよ♪
その他にも似たような例としては、聖書の
You shall not kill.
殺しをしてはならない
という言葉があります。
これは、絶対殺してはならないという義務を表していますね。
まとめ
今回は、「shall」の使い方3パターンについて解説しました。
- 未来( I / we )
- 申し出・提案( I / we )
- フォーマルな義務
僕個人的には、古めかしい響きがあるってこともあって、古風でなんかシャレてる単語だな~ってイメージを勝手に持ってます(笑)
覚えていると、理解できることも増えるのでぜひものにしてくださいね!
それではまた~